腹部超音波検査
腹部に超音波をあて、肝・胆疾患、腎疾患等を調べる検査です。大きさや所見がみられる部位、昨年との比較等から、医師が総合的に判断して判定しています。再検査・精密検査のご案内があった場合、肝臓や胆のう、膵臓にみられる所見については消化器科、腎臓にみられる所見については泌尿器科または腎臓内科をご受診ください。
主な所見
- のう胞
- 分泌物が袋状にたまる良性の疾患です。のう胞ができた部位によって、「肝のう胞」や「膵のう胞」などと呼ばれます。
- 結 石
- シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが結晶化したものです。
- 石灰化
- 臓器にカルシウムが沈着した状態です。
- 血管腫
- 肝臓でよくみられる良性腫瘍です。血管から構成されます。
- ポリープ
- 臓器の内側や粘膜に発生した隆起のことです。良性腫瘍からがんを疑うものまであるので、医師の指示に従ってください。
- 腫 瘍
- 腫瘍は、良性・悪性の鑑別のために精密検査が必要になります。
- 腫 瘤
- 腫瘤は臓器の一部にできるこぶや固まりのことで、腫瘍性のものや炎症性のものがあります。
- 腫 大
- 臓器の大きさや厚みが一定の基準範囲を超える状態です。臓器の炎症や腫瘍が原因となっていることもあります。ただし、生まれつき大きい方もいます。
- 萎 縮
- 臓器の大きさや厚みが一定の基準範囲以下の状態です。ただし、生まれつき小さい方もいます。
- 壁肥厚
- 臓器の壁が肥厚している状態です。
- 形態異常
- 奇形・変形・変成・欠損など、臓器が正常な形態から外れてみえる状態です。
- 脂肪肝
- 肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態です。アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝(肥満、生活習慣病など)に大別されています。一部の脂肪肝から肝硬変・肝細胞がんへ発展する場合もあるので、生活習慣の改善が大切です。
- 肝内結石
- 肝臓の内部にある胆管にできた結石のことです。
- 門脈拡張
- 腸管からの血流と脾臓からの血流が合わさって、肝臓へ流れ込む血管を門脈と言います。何らかの原因で門脈の圧が上昇することで血管が拡張した状態です。
- 肝静脈拡張
- 肝静脈圧が上昇して肝静脈に拡張がみられる状態です。心不全等が原因のこともあります。
- 慢性肝炎
- 肝炎ウイルス感染、長年の多量の飲酒、過栄養、自己免疫異常などにより慢性的に肝臓に炎症を生じる疾患です。食欲不振や倦怠感などが主な症状ですが、無症状の場合もあります。
- 肝線維化
- 肝臓に異常に大量の瘢痕組織が形成されることです。慢性肝炎や肝障害によって損傷した肝細胞を修復して、新しい組織で置き換えようとして起こります。
- 肝硬変
- 慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態です。
- 腺筋症
- 胆のう壁が肥厚する良性の疾患です。胆のうがんとの鑑別が必要な場合もあります。
- 胆砂・胆泥
(たんさ・たんでい) - 胆のう内に貯留している胆汁が砂状や泥のように変化している状態です。これが結石化すると胆石となります。
- 慢性胆のう炎
- 胆のう壁に慢性の炎症性変化がみられます。胆石が原因の胆のう炎に引き続いて起こることがほとんどです。
- 肝内拡張
- 肝臓内の胆汁の通り道(胆管)が通常と比べて太くなっている状態です。胆石や腫瘍が原因となっている場合もあります。
- 肝外拡張
- 肝外胆管が拡張している状態です。胆管結石や腫瘍が原因となっている場合もあります。
- 膵管拡張
- 膵管が拡張している状態です。膵石や腫瘍が原因となっている場合もあります。
- 膵のう胞性腫瘍
- 粘液を作る腫瘍細胞により産生された粘液が、のう胞状に溜まったり膵管が拡張したりします。良性や悪性かの鑑別のために精密検査が必要です。
- 副脾
- 脾臓の近くにみられる正常変異です。病的なものではありません。
- 脾静脈拡張
- 脾臓から門脈へ繋がる血管の通り道が拡張している状態です。脾臓が腫れたり、門脈圧が亢進していることもあります。
- 水腎症
- 腎臓で作られた尿が膀胱へと送られる過程で、何らかの原因で排泄が阻害され、尿の通り道が拡張している状態です。
- 腎盂拡張
- 様々な原因で尿の流れが妨げられたことで、腎臓の中に尿がたまった状態です。
- 血管筋脂肪腫
- 主に血管・筋肉・脂肪から構成される良性腫瘍です。
- 重複腎盂
- 腎臓の奇形の1つで、腎臓の外側の形は正常ですが、腎盂と尿管が2つある状態です。
- 慢性腎炎
- 腎臓内で血液の濾過を行っている糸球体を中心に、慢性の炎症がみられる状態です。蛋白尿や血尿が持続し、進行が緩やかなものや腎不全に至るものもあります。
- 腎盂尿管腫瘍
- 腎臓で作られた尿は、腎臓の中央にある腎盂へ集まり、尿管を通って膀胱へ運ばれます。そこに腫瘍が発生した状態です。
- 動脈瘤
- 心臓から全身に血液を送る血管の一部の壁がこぶのように膨らんだ状態です。こぶの壁は薄いため、圧がかかると破裂する可能性があります。
- 静脈瘤
- 全身から心臓に戻る血液が通る血管の一部の壁がこぶのように膨らんだ状態です。
- 門脈瘤
- 腸管からの血流と脾臓からの血流が合わさって、肝臓へ流れ込む血管を門脈と言います。門脈の一部の壁がこぶのように膨らんだ状態です。
- 皮下腫瘤
- 皮膚の下にできるしこりの総称です。良性のものと悪性のものがあります。
- 腹 水
- 腹腔内に液体が貯留した状態です。増加した場合には精密検査が必要です。