理事長ご挨拶
結核予防会は、結核が国民病といわれていた昭和14年に、当時の皇后陛下の御令旨により設立されました。翌年の昭和15年には北海道支部が設立され、結核を中心とする疾病の予防から、現在は各種の健康診断、普及啓発及び調査研究等に関する事業を行っております。
北海道は、四国・中国地方以西の西日本に匹敵する広大な面積を有し、人口密度は全国で最も低い地域でありますが、当会は、道民の皆様が等しく精度の高い健康診断を受けることができるよう各種検診車を配備し、全道各地で巡回健診を実施してまいりました。
さらに、結核や他の呼吸器疾患及び生活習慣病やがんなどの各種検診に対応する総合健診機関として、札幌複十字総合健診センターを平成15年に開設し、精度の高い健診に取り組んでおります。平成24年には北海道知事から公益財団法人として認定を受け、公益財団法人北海道結核予防会へと移行し、令和2年には設立80周年を迎えました。これもひとえに皆様の厚いご支援とご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます。
現在では結核の新規感染者などが大幅に減少する中で、公益財団法人結核予防会と連携し結核・肺がんなどの肺疾患対策を推進する役割を果たすため、複十字シール運動や結核予防週間などを通じて予防思想の普及啓発を進めてまいりました。中でも、肺の生活習慣病と言われるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の予防のため更なる普及啓発活動に努めてまいります。
このように、当会は時代の変化に対応しながら良質な健診の機会を提供するとともに、健康づくりに関するさまざまな普及啓発活動を通じて各種疾病の予防に取り組み、道民の皆様の保健向上と健康な社会づくりに寄与することを理念として活動してまいりました。
今後とも公益法人としての責務を自覚し、事業を推進してまいりますので、なお一層のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
令和5年4月
公益財団法人 北海道結核予防会
理事長 館石 宗隆